「BLUES IN THE CLOSET」 1999.9.21

    「BLUES IN THE CLOSET」
    1. WHEN I FALL IN LOVE
    2. MY HEART STOOD STILL
    3. BLUES IN THE CLOSET
    4. SWINGING 'TLL THE GIRLS COME HOME
    5. I KNOW THAT YOU KNOW
    6. ELOGIE
    7. WOODYN' YOU
    8. I SHOULD CARE
    9. NOW IS THE TIME
    10. I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
    11. BE-BOP
    12. FIFTY DECOND STREET THEME

 バド・パウエルの魅力はどこにあるのだろう?その演奏はリラクゼイションを感じさせはしない。まして癒しの効果はありはしない。そもそも音楽で癒されることなんかぼくは望んでいないのだ。
 望んでいないのだ。いつか望むとしても、今のところは。それは病気や不幸を自慢することにも似ているのかもしれない。もちろんこれも安っぽい癒し同様、お笑いぐさだ。ただ、人間が病んでいる存在なことを、そしてそれは癒されることがないことをうすうす自覚しているからほんの少しはましかもしれない。
 少しはましかもしれないとしても、社会的な要因は断乎として取り除く気構えでいなければならないとは思う。例えば、リストラや解雇や老後の不安からの精神的圧迫から、音楽やペットや似非宗教等々に癒しを求めるよりも、もっと正当な取り組みはあるはずだから。
 正当な取り組みはあるはずだ。しかし、その底には昏い生の不安があるだろう。それは人生の喜びのすべてを飲み込んでしまい、死の淵に立たせる。
 死の淵に立たせられた人はどうするのだろうか?目を開けたまま踏みとどまっている難しい。細い紐で吊るされた頭上の剣を知らなければ、浮かれたままでいられただろう。
知らなければよかったと後悔し、堅く目を閉じて、忘却しようと強烈な酒をあおるのも手だ。だが、ぼくはすべてを知ること、瞳を見開き見続けることの自由を選びたい。
 自由を選びたい。そして絶えず不安がついてまとうとも。
 バド・パウエルはぼくを不安にさせる。自由の不安を感じさせる。その演奏の狂った感じは。
 その演奏の狂った感じは、自由であることの引き換えを自覚させるから・・・・。

by BigBrother

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