三条大橋はそう遠くない時期に掛け替えられることになっています。現在隣接して新たな橋が建築中です。ですから今の橋はそのうち姿を消すことになります。
富所正一さんがこの橋から下を流れる川へ飛び込んだのは、3月のことでした。といっても、すでに20年以上も経つことになります。
最近ストリートシンガーとよばれる若者たちが、大手通りでギターを片手に歌っている姿を目にし、その歌詩の内容に耳を傾けていると、思わず知らず富所正一さんの歌が思いだされます。富所正一さんの歌はけっしてうまくはないし、その言葉も素朴さを滲ませたものでした。しかし、それだからこそでしょうか、一度聞くとなぜか心に残るものでした。
護岸工事を施された信濃川はセイタカアワダチソウやヨモギなどの雑草が生い茂り、川辺に容易く近づけません。上流の右前方には弥彦山が姿を見せています。自然の風景のことですから、20年前とさほど変っていないと思うのですが、それでも周辺の雰囲気はずいぶん変ったことでしょう。
彼の歌は新潟に暮していたぼくと同年代の若者の幾人かの心に残っていると思います。それでもやがて彼の歌のすべては静かに忘れさられていくのでしょうか。「芸術は長し人生は短し」という言葉が浮かんでほろ苦さを口中に残しました。
by BigBrother
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