ぼくのオンリィ・イエスタディ その34
尾崎豊の「卒業」 1999.11.3


CD 尾崎豊 一七歳の地図   1985年に大ヒットした尾崎豊さんの「卒業」を聴いた時は、ぼくはすでに20歳の後半だったので、この歌に素直な共感を覚えるには、ひねすぎていました。むしろ、その詞の内容の性急すぎる否定と断定とに「ありゃー」と思ったものでした。
 しかし、そこにきらめく、潔癖と純粋からの反抗は、確かに二度と帰ることのない若者の特権でした。心の奥底からしぼりだされる透明な歌声は静かに熱く響いて、豊かな素晴らしい才能を実感せずにはいられませんでした。
 しかしその一方で、汚れて壊れやすい感性そのもののような彼が、今後どのように現実を乗り切って行くのか興味がありました。
 その後彼は、ステージでのとっぴな行動で足を骨折したり、覚醒剤の使用で逮捕されたり、異常に肥満したり、人気女優と不倫をしたりと、音楽活動以外で話題を振りまきました。ぼくはそこに羽化できずに地面に落ちた蝶ように、大人になり切れない姿を見たものでした。それはいずれの場合も写真週刊誌が滑稽にかきたてたことが、ぼくの印象に影響しているだけで、もしかしたらそうなのではなかったかもしれませんが。
 7年前の急逝はぼくには衝撃的ではありませんでした。しかたがないような気がしました。「生き急いだ」という言葉が頭をよぎりました。
 「17才の地図」には1983年の彼の彼以上のすべてが清洌に、激しく、輝かしく溢れています。たとえすべてが変ってしまったとしても、繊細に震える彼の思いは、ダイヤモンドのように傷さえついていません。とはいうものの、やはりすべては壊れてしまって・・・・。

by BigBrother

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