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当ホームページの「ぼくのオンリィ・イエスタディ」というコーナーは、60年代のテレビ番組やCM、歌謡曲や映画などをノスタルジックに扱っている某有名サイトにちょっとだけ対向意識を燃やして始めました。むろん、張り合えるだけの資料も引きだしもなく、身辺雑記に流れてしまっていますが。
それでも、世代論や年代論には目にいくようになりました。この一冊も「60年代」という言葉につられて購入しました。
題名からすると、こむずかしい内容かと思ってしまいますが、東京オリンピック、野球、テレビドラマ、フォークソングといった身近なテーマ(もちろん、60年代以降に生まれた世代にとってはいささか無縁ですが)を論じています。一方でややお堅い作家・学者・思想家の先生たち(丸山真男、高橋和巳、吉本隆明、土居健郎等々)を論じていますが、こうした人物たちの業績や作品について予備知識がなくても、興味深く読むことが出来ます。各テーマ毎の分量も短めです。しかも論理はきわめて明快!快刀乱麻を断つ胸のすく文章です。
著者はこの著作の姿勢について次のように語っています。
60年代を論じ続けながら、始終一貫して頭から離れなかったのは、「理念」の回復ということだったように思う。もとよりそれは簡単に語れるテーマではない。しかし、60年代の出来事や理念を一つずつ検証することで、少しでも、回復されるべき「理念」の一端をかいまみたかったのである。〜略〜。
そして、ひるがえってこのぼくらの生きている日本の社会でも「理念」の崩壊は、とどめのないニヒリズムの風潮を生んでいる。どのようにこのしまりのない宙ぶらりんの「生」のなかに突破口をみつけうるのか。
60年代を繰り返し問い直すこと、このことは決して楽しい仕事ではない。にもかかわらず、ぼくらの現在の<生>の出発点がそこにあるのなら、ぼくはいやでもこの問いかけにこだわらざるをえないのである。それが少なくともあの時代に生き、考えたことを無化しない唯一の道だとぼくは考えている。
by BigBrother
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