山本直樹「極めてかもしだ」全6巻 2000.02.27

極めてかもしだ(5)表紙 山本直樹氏は成人誌向け漫画が出発点だと聞きました。確かに、この作品にもその一端をかいまみることができます。しかし、他の作品に比べればかなりおとなしいかな?もっとも、この人のどの作品においてもその性表現は過激なわりには、かわいていて、さらりとしています。それでいて、人生の真実に触れているという印象があります。もちろんその真実は多くの局面のうちの一つ、あるいは二つかもしれませんが。
 それはともかく、この「極めてかもしだ」は学園ものの範疇に入ります。作者が最初にちょこっと言及しているのですが、「翔んだカップル」あるいは「月とスッポン」を意識しています(ほんとうかな?)。
 主人公(といってもどちらかというとアンチ主人公タイプかな?)かもしだともう一人の主人公興津要のやりとりが絶妙で、面白いですね。
 かもしだはいい加減過ぎるほどいい加減で、これに対して興津要は気が強く、頭脳明晰なのですが、それでもどこかしらかもしだに惹かれているという不可思議な関係が全編に共通しています。
 主人公もそうですが、登場人物のだれもが、持ち上がる出来事に対して熱血的に盛り上がりながら、その一方でじつにあっさりと受け入れ、しかもとらわれていない、一言でいえば、熱しやすく、冷めやすい人々です。まあ、そこのところがギャグマンガとして必要な条件でもあるのでしょうが。
 お色けとギャグに隠れていますが、暴力とアナーキーな要素がありますね。もっとも、これは山本直樹氏の作品に共通していると思うのですが。
 山本直樹氏の世界への導入として、一番ふさわしい一冊ですね。

by BigBrother


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