まだまだ酒の肴考
まだまだまたまたまた酒の肴考 2000.5.15
=か太ふね=

か太ふね  近所の酒屋でか太ふねを買う。一升瓶を空けるや、また飲んでみたいと思った初めての酒である。
 とにかく、飲みやすい。まず、控えめな香りに感心する。吟醸香に通ずる果物のさわやかな香りである。吟醸香は私には強すぎるのだが、か太ふねの醸す香りは、ほんのりふわっとして、早春の陽だまりを思い起こさせる。
 口に含むと、思いのほかしっかりした味わいである。雑味はまったくない。繊細というよりも、むしろ、強さを感じさせる。それでいて、すーっと入ってしまう軽さがある。  これが、料理と実に相性がよい。料理を意識するときは、まったく料理の陰にとなって、主役を立てる。ひとまず箸を置く。か太ふねを飲む。日本酒のうまさが馥郁と口中に広がる。涼やかになった舌は、あらためて食指をうごかしてくれるのだ。
 今日の肴は葉山葵のおひたしである。だししょうゆをかけてだけだ。じっくりかみ締めると、甘味とともに、鮮烈な辛さが舌を襲う。これを鎮めるために、か太ふねをぐいっとやる。うまい。この一言に尽きる。
 さかづきが重なるにつれ、どうにもこうにも、人恋しくなってしまった。むしろ、いい酒、いい肴だから、人恋しくさせるかもしれない。

by BigBrother  

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