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「性悪説とか性善説とか言われるけれど、俺は性弱説を前から言っているんだ」と、十代の少年の犯罪を伝えるテレビを見ながら、中村さんは語り始めた。
「人間は悪でも善でもないんだ、弱いというのがほんとうなんだ」
「性弱説って、なんかあっちのほうが弱い男性ってイメージを連想してしまうけど」と、ぼくは頓珍漢な事を言って話の腰を折る。かまわず中村さんは、続ける。「弱いからいろいろしてしまうんだ、そう言う前提で、人間を見ていかなけれぼいけないんだ」という。
中村さんによれば、結局人間は、強くはなれない。「ただこの弱い存在たる人間は自然に触れ合うことが必要なんだ」つまり、この考える葦は自然という風に逆らわず吹かれるままにいることがなによりも大切らしい。
「自然の本質は、ブナに集約されている」と中村さんは主張する。「ブナの保水力、二酸化炭素を吸収し、酸素をだす機能は、他の植物に比べて比類なく、おまけに、その保水されていた水は滋味豊かで、他の生命をいきいきさせるんだよ」という。
急に中村さんが静かになった。今日も中村さんは眠り込んでしまった。どうやら、中村さん自身の「性弱説」は酒に対してであるらしい。
by BigBrother
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