|
著者は鮨屋の店主であり、長年の鮨屋としての豊富な経験から、語り出される話の面白さは比類がありません。
1章「江戸前鮨のはなし」でのシャリの炊き方や握り方、コハダやハマグリやアナゴなどの鮨ネタの選び方、処理の仕方は興味深く読めますし、二章「柳橋での修業ばなし」、三章「神田鶴八鮨ばなし」での飾らないプロの姿勢のうかがえるエピソードの数々に目の開く思いに幾度もさせられます。物知り顔の薀蓄ばなしというのはともすれば、嫌味のものとなってしまいがちですが、気持ちよくすっと耳に入ってくるのは、酸いも甘いもかみ分けた著者の人柄の顕れた語り口にありますね。
なるほどと思ったのは、二章の「職人と親方の違い」です。この違いはあくまでも著者の考える鮨職人ということですから、他の職人には必ずしも当てはまらないかもしれませんが、それでも、一読、考えさせられる話です。え?その違いは何かって?それは、ぜひこの本をお読みください。
by BigBrother
|