大島弓子「綿の国星」全7巻 白泉社 2000.8.8

大島弓子「綿の国星」全7巻 白泉社 大胆に擬人化された猫の世界とどこかしら悠長な人々の生活や事件とが時に交錯しつつ、またそれぞれが平行して流れて行く物語です。
 とりとめない、つかみ所のないような話なのですが、惹きつけられます。
 登場してくるキャラクターはすべて強い、むしろ時には狂気に近いような、思いや願いを持っていますが、その心のうちをストレートに打ち明けるのはまれで、ワンクッションおかれて和らげられています。しかし、お互いの思いは、どちらかというと空回りしがちです。取り上げられるテーマも死といった結構重いものが多いのですが、オブラートに包まれています。
 結局最後は、すべてが予定調和によって、淡々とした日常に落ちついて行き、善意に満ちた雰囲気と優雅な時間の流れる「綿の国星」ワールドを形成しています。それでいて、しみじみとした切ない読後感がいつまでも残る不思議なまんがです。
 ところで、「綿の国星」はぼくが大学生だった頃の人気まんがでした。その頃現在読める作品のほとんどが出ていて、その後何篇か描き足され今の分量になっていますが、もう続きはないのですかね?

by BigBrother  

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