ビック錠「ドクロ坊主」全11巻 集英社
2000.9.12
これまで日本のまんがは森羅万象を描き、多くのジャンルを確立してきました。各ジャンル毎の作品数はそれぞれかなりの数に上っていると思われます。
そうしたジャンルの中で、いたずらを主題にしたまんがは、比較的に作品が少ないのではないでしょうか?思いつくものをあげると、長谷川町子「いじわるばあさん」とビック錠「ドクロ坊主」くらいなものです。
作品数が少ない理由は、いたずらを描き続けるのが、高いハードルを全力疾走で次々と飛び越えて行かなければならないようなものだからでしょう。
そのハードルについて、著者自身が、第1巻の表紙の見返しに、「独創的でなくてはいけません。大切なことは、人に不快感をあたえたり、危害を与えるようなものは、いたずらとは言えません」と述べています。
これがいたずらを主題とするまんがに課せられた飛び越えかねる厳しい条件なのは、頷けます。実際のいたずらは、陳腐で、不快感や危害を与えるものだからです。
さらに、この漫画の楽しみ方を作者は上の文章に続けて、次のように語っています。「ドクロ坊主のいたずらには、実際にできないものがたくさんあります。でもいたずらは考えるだけでも、楽しいものです」
思考実験という言葉があります。「ドクロ坊主」を見ながら、先の条件をクリアするようないたずらをいっしょに考えてみるのも秋の夜長には乙なものです。
by BigBrother
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