続ラーメン店、イニシャルトーク 2000.9.15

 某月某日、知人とドライブ。昼食を巻のKにてとる。Kは県下の有名ラーメン店の一つである。今回ここは初めてだが、大学時代に岩室の姉妹店に一度入った事がある。特別うまいとも、まずいともどちらの印象もない。
 店内は混んでいる。二階に案内される。嫌な予感がする。「でかいラーメン店にうまいラーメン店はない」というジンクスが脳裏をよぎる。
 看板の味噌ラーメンを注文する。ラーメンがやってきたが、注文を聞き違えたらしく、一つ足りない。知人たちに先に譲る。
 とにかく味が濃い。私には、カラ過ぎる。スープにコクも感じられない。しかも、知人の一人のラーメンのスープはのぬるいということだ。
 後で、知人たちと話し合って、当然、ちょっとひどいねという話になる。ありがたがって来るような店ではない気がする。どうしてこれほど混んでいるのか疑問。



 某月某日、知人とラーメン店の話で盛り上がる。
「昨日行ったTは厨房で煙草を吸ってるんだよ」
「煙草を吸ってるラーメン店て、結構多いよね、前行ったJもそうだったよ」
「そうだよね。Jに限らず、煙草を厨房でのんでる店主って多いよ。ラーメン作りにこだわっているとか、一麺入魂とか言ったって、煙草をふかしているのを見れば、やっぱりたかがラーメン屋って思ってしまう」
「麺の固さを見るのに、実際食ってる店主もいるけど、おれはああ言う姿を見るのいやなんだよね」
「これはラーメン店に限らず、飲み屋でも料理途中で、客に出さない料理の端をその場でちょいちょいとつまんで口に入れる店主が要るけど、本当にみっともない印象を受けるなあ」
「煙草でも、料理の端でも、なんにせよ、客を目の前にして、調理人が何かを口にしてるってのが嫌だね、それだったら、厨房を別にしろって言いたいよ」



 某月某日、某飲み屋へ行くと、鈴木さんがすでにメートルを上げている。「ラーメン店、イニシャルトーク」を見て次のような忠告をしてくれた。
「だめだよ、ネガティブキャンペーンのような事をしちゃ、トカレフで撃たれるよ。もっと、いいところを褒めてやらなければ」
「いいところも褒めてるつもりですよ」
「とにかく、私のような食道楽でない、味音痴の中村さんや杵渕の意見なんて載せちゃいけないよ」
「じゃ、長岡でうまいラーメン屋ってどこですか?」
「Iだね」
「他には?」
「他は長岡にはない!」
 おいおい、いいところを褒めてやれというわりには、後のラーメン店は切り捨てかあ。



 某月某日、また某飲み屋に行く。中村さん、先客である。
「いよいよジャイアンツはカウントダウンですね」
「どうしよう」嬉しそうである。
「ところで、Iって知ってます?」
「一度行ったな、鈴木さんが『長岡でトンコツといったらここだ』って褒めてたね」
「どうでした」
「今の長岡のトップクラスだよね。丁寧に作ってる。あそこはほんとーにラーメンが好きなんだよね」
「Iって、化学調味料を入れてないんじゃないですか?化学調味料を入れたうまみとぜんぜん違うような気がします。化学調味料に馴れた舌には最初物足らないけど、最後まで飽きがこないんですよ」
「化学調味料はおっかないんだよ。おれもラーメンのスープを作るけど、化学調味料を入れた途端に、スープが舌にブワットと来るからね」
「中村さんは本当のうまさじゃないって考えているんですね」
「そうだね、化学調味料に頼らず、いかにしてうまみを出すかがプロとしてのこだわりだよね」
「最近長岡のラーメン屋のレベルが全体として落ちてきてるような気がしますけど」
「こだわってる店ってないよ、後2年待ってくれれば、おれが・・・・」
 中村さんの夢はすべてにこだわったラーメン店を開くことだ。もちろん、化学調味料は使わない。そしてついに、ジャイアンツの優勝と同じくカウントダウンが始まった!2年後?途中でマジックは消えそうである。


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