続々ラーメン店、イニシャルトーク 2000.10.4

 某地方雑誌が県内のラーメン店特集をした。
これがちょっとした挨拶代わりになった。「見たか!」「見たよ!」「ちょっと納得いかないところもあるねえ」「そうだよね、首傾げるね」という具合である。
 「金が動いた」「組織票が動いた」「いやいや人の好みはいろいろだ」「地域差が大きい」なんて侃侃諤諤のやりとりもあった。ラーメン店の人気投票もいいけれど、そろっと、ラーメンの全体的な向上を目指す辛口な特集があってもいいのでないかな?



 某雑誌推奨の小千谷のHへ行く。小千谷に二軒のうち、大きいほうの店に向かう。お昼の混雑時をはずしたのだが、まだまだ大勢の客がいる。麺揚げしている人が思っていた以上に若い。20代みたいだ。何気なく見ていると、えらく雑なのだ。プロと思えないほどヘタなのである。
 長岡のラーメン大王、中村さんによれば、麺揚げは厳密には一度に4杯が限度だそうだ。それ以上はラーメンの麺がどうしてもまずくなるそうだ。客が押し寄せたからといって、それ以上でやるのはよほどの超絶技巧の持ち主か、こだわりのない店かどちらかだという。  ここでは6杯でやった。もちろん、ぼくの注文したどんぶりも数のうちだ。しかも、うち2杯は大盛りである。
 麺の固さを2度ほど確かめていたが、指先で押しつぶした麺をそのままなべに戻した。湯切りの手際も悪く、湯切り途中の麺をなべへ落としてしまって、再び湯切りをしている始末。どんぶりに移すにも、麺は湯切りをあちこち形悪く乗っかっているので、ラーメンがどんぶりからこぼれおちる。もちろんこぼれた麺はもったいないのでどんぶりに押し込んでくれている。
 明らかに修業中なのである。こっちは練習台になっているのだ。ひどい話である。思ったとおり、麺は伸び気味である。
 ここは塩、醤油、みそがあるのだが、某雑誌の推奨は醤油のチャーシュー麺という事で それを頼んでいた。味は長岡の青島ラーメンに酷似している。チャーシュー同じような肉を使っている。もしかしたら、Hのほうがうまいかな。
 それにしても、店としての良心が感じられなかった。食って出てはきたけど、ラーメンを客に出す以前の問題があまりに目に付いてしまった。いずれにしろ、わざわざ長岡から食いに来るほどの店じゃあないね。



 小千谷のHの後、小出のMに向かう。小出は全体的にラーメンのレベルが高いという。Hの後なのではいるかなと思いつつ、再び、チャーシュー麺を頼む。
 ここはラーメンの焼き海苔の上に黒コショーがかけられている。連れはこれがいいというのだが、ぼくは疑問である。でも全体的においしかった。丁寧に作られていたし、すでに3時近いこともあって客がいないからなのか、チャーシューをその都度切っているようだった。
チャーシューは適度に脂身の入ったうまいチャーシューだった。しっかりと肉の硬さが残って、好ましい触感があった。僕はこう言うチャーシューが大好きだ。
 スープは化学調味料を入れていたようだが、繊細な感じがした。小千谷のHや長岡の青島系の濃い醤油色ではない。麺の固さもちょうど良かった。小千谷のHがあまりにひどかったから余計良さが目だった。それにしても、残さずに食べれたのはラーメンがうまかったからだ。でも、長岡ではそれほど人は来ないのではと思った。



 長岡では青島系と安福亭系のラーメンが人気がある。もしも、長岡でラーメン店を開くなら、ヘタにこだわらないで青島系か安福亭系かの味に決めたほうがいいと思う。
 以前中村さんが、長岡のYのラーメン店のスープがあっさりした醤油味だったのを長岡の青島系のスープに近くしてだめだといったことがあった。たしかに、こだわりの中村さんからすれば、スープを自らの信念よりも客に合わせるのは店のこだわりがないとも言えるかもしれない。でも、客のニーズに合わせることは商売上大切なことは言うまでもない。今回Hの異常な繁盛ぶりを見て、小千谷も長岡も濃厚な醤油味のラーメンを好む人が多いものだと、いまさらながら思った次第だ。


by BigBrother