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 サフラン酒で巨万の富を築いた長岡の吉沢仁太郎の洒落た道楽ぶりが、かって全国ネットのテレビ番組で放映されたことがありました。その往年の栄華の一つが鏝絵です。
鏝絵は左官職人が建築物の装飾として漆喰を使って描いたものです。明治以降昭和の初めほどまで作られたていたそうですが、今では継承する人もほとんどいない代物です。
長岡に住んではいますが、これまで直接に目にしたことがなく、聞くところによると、現在事務所として使われている蔵に鏝絵があるらしいと聞きました。もしかしたら、見せていただけるのではないかと出かけました。
 目当ての蔵はすぐわかりました。蔵は大きな門を入って4,5メートルほどのところに建てられています。門は開いているのですが、事務所はしまっているようです。断って見ようにも、まわりには人の気配がありません。
気がひけましたが、恐る恐る門を入って土蔵の傍まで近づきました。鏝絵は蔵の軒や窓に施されています。亀、鶴、龍、鳳凰などが描かれていました。いまだに鮮やかな色彩です。さぞかし、注意の行き届いた管理が行われているのだろうと思います。
感慨に浸っていたかったのですが、個人の住居に勝手に入り込んでいるという、後ろめたさが頭にあって、どうも居心地が悪いのでした。当然ですが。名残惜しくも、そうそうに退散しました。次回は、もっとちゃんと断って、見せていただきたいと強く思いました。
by BigBrother
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