金子光晴「金花黒薔薇」集英社 2000.2.15

「金花黒薔薇」   エロ話なんだけれど、これが味わい深い。下品なとこはあるけど、わざとしている所もあって、ちょっとした露悪趣味があるのだと思う。
 聞き書きだから、砕けた感じがでている。いいなあ、お酒を飲みながら読むにはもってこいだ。
 どんな話題だろうと、面白おかしく語れてしまう人っている。たぶん作家にとっては有利な才能だろう。でも、まるっきりのバカッ話だと話に厚みがない。もっとも、深刻さがあればいいってわけじゃないけど。
 話がね、はっとするような詩情を漂わせる。中でも一続きの「崖下の家」と「呪われた夜」の壮絶な人生ドラマを読むと、この詩人の凄さがわかるような気がする。エロ話がちょっと凄い小説になっているんだよね。
 でも、しょせんエロ話だよ。それも淡白なんてもんじゃさらさらないね。もっとも、すべてがしょせんの世界だろうけど、それだからいいんじゃない。よくわからないけど。

by BigBrother  

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