|
江戸川乱歩「黒蜥蜴」角川書店
2001.4.28
美しい女の左の腕に、一匹の真っ黒に見えるトカゲが這っていた。それが彼女の腕のゆらぎにつれて、吸盤のある足をヨタヨタと動かして、這い出したように見えるのだ。今にもそれが、肩から頚、頚から顎、そして彼女の真っ赤なヌメヌメとした、唇までも、這いあがって行きそうに見えながら、いつまでも同じ腕にうごめいている。真にせまった一匹のトカゲの入墨であった。 by BigBrother
[TopPage] [New] [BigBrother's Room] [Book] |