ウージェーヌ・シュー「さまよえるユダヤ人」角川書店
2001.7.19
つい最近岩波新書の「パスカル」やパスカルの「プロバンシャル」を拾い読みしていたので、この「さまよえるユダヤ人」のエスイタ教徒と教団について興味深かったですね。 エスイタのモデルは、かのフランシスコ・ザビエル属するところのイエズス教団から由来しているのでしょうが、それにしても、パスカルとの対立以来いささかよくないイメージが定着してしまったようです。
この「さまよえるユダヤ人」は1844年から翌年にかけて新聞に連載された小説です。この手のはしりにして、とんでもないほどの大人気となった作品だということです。さまよえるユダヤ人の伝説をロマンチックな道具立ての一つにして、とにかく波乱万丈。アメリカ、インド、ロシアと舞台もワールド・ワイドに展開しています。今読んでも、かなりおもしろい大衆娯楽作品です。小説中の敵役のエスイタの連中の秘密警察めいた手口はバルザックの「暗黒事件」の中で描かれた、フランス革命の反動政治家、ジョゼフ・フーシェの手口にそっくりでこれまた興味深かったですね。
ところでフーシェについてはシュテファン・ツワイクの有名な伝記文学があるのですが、これがまたこの上なくおもしろいですね。
by BigBrother
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