「ラーメンスープコク論争」 2001.11.1

 ところで、今コクのあるラーメンって言ったけれど、じゃあ、コクってなんだい?
 うまみというか深みというかそういう味の広がりかな。
 知ってるだろうけれど、味覚は塩味、甘味、酸味、苦味それとうま味の五つが基本なんだよ。これを五基本味というんだ。コクはこの中には入ってないんだ。基本味じゃないんだ。
 でも、コクは存在するだろう。
 どうかね。ところで、コクにどういう漢字を充てるかわかるかい?
 濃かな
 酷だそうだ、もとは酒のうまみをさしたらしい。ってことは、うま味に含まれるってことになってしまうだろう?
 でも、コクはうま味とは別にある気がする。
 あるとしても、人が勝手に言いすぎるんだ。
 それはそうかもね。
 ある人にはコクは単純に塩辛い、濃い味なのかもしれないし、またある人にはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の三つのうま味のどれかが際立っているのをさすのかもしれないし、また調和している味なのかもしれない。あいまいなんだよ、第一味として存在しないんだから。
 背アブラを入れると絶対コクが出るよ。
 洋食でバターとか生クリームでよくやってきたね。でも、俺に言わせれば、味をぼかすんだよ。まろやかにするって言うのかもしれないけれど。そういうアブラの働きだから、背アブラのどばどば入ってるラーメンで、しかも煮干だしの味がするってやつは、相当無理な味付けしているはずだよ。背アブラを入れすぎているってだけでも、正常な食事じゃないのにね。
 多くの美食家がそうであったように、でも、うまいラーメンを追求すれば、健康からそれるようなことがあっても仕方がないだろう。
 それは、そうだ。でも、美食家にも大きく二つに分かれるようなきがするよ。一つはとにかく刺激的で強烈なものを追い求める人たちと、一見平凡な味わいの中になんともいえない精妙さを求める人たちにね。
 おれが味の素のきいたラーメンを好きなのを当てこすってるだろ
 そういうつもりはないよ。ただ、コクって言葉はあんまり漠然としているんだよ。

by BigBrother