谷岡ヤスジ「ヤスジのメッタメタガキ道講座」扶桑社文庫
2001.11.11
ほんのこの前まで文庫版を中心に絶版まんがの怒涛の勢いの復刻があって、珍しい作品が矢継ぎ早に出版されました。しかし、思ったほど売れないのでしょうか、再び品切れ状態、むしろ実質的には絶版状態になってしまって、またもや手に届かなくなってしまっている作品が多くなっています。
この「ヤスジのメッタメタガキ道講座」もそうした作品の一つです。5年前に文庫で復刊されましたが、現在では入手が困難となっています。
1970年に少年マガジンに連載された「ヤスジのメッタメタガキ道講座」は谷岡ヤスジ氏の出世作となりました。先鋭なブラックユーモアにあふれ、風刺というより、暴力的で破壊的な作品でした。
こうした作品でしたから、眉をしかめた良識者もあったように聞いています。私はむしろ胸のすく爽快感さえ覚えました。あたるを幸いにすべてをなで斬りにする鮮やかな手際だったからです。しかし、こうした多くの谷岡ヤスジ作品が入手困難な状態なのです。
文化は隔世遺伝するということを聞いたことがあります。
いわゆる不世出の人物によって獲得された最上の文化的財産を次の世代に伝えようとしても、えてして受け手の指の隙間から漏れ落ち、次の世代には不完全でしか伝えられないことがしばしばだ。しかし、再びかの不世出に匹敵する傑出した人物の登場によって、系譜は再びつながって行くのだ、というのです。
谷岡ヤスジさんは1999年6月14日に逝去されました。多くの識者はそのまんがの独自性と天才を指摘し、彼のようなまんが家は二度と現れないだろうといいます。
そうかもしれません。ですが、再び彼をしのぐような天才が現れてほしいと思います。そのために残された作品が容易に手に入るよう、版元さんにはぜひともがんばっていただきたいと、せつにお願いしたいのですが。
by BigBrother
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