滝田ゆう「寺島町奇譚」ちくま文庫
東京下町の風情を描いた名作。時代は太平洋戦争。ところどころにちょこちょこと戦争の翳がさし、東京大空襲がすべてを一変させます。
一見ほのぼのとした世界のようでいて、人々の愚かしさ醜さを、さらに社会の矛盾をさりげなく描いています。
あたたかくもあるし、醒めているようでもあるし、複眼的と言ったら適切でしょうか、そうしたまなざしがなんともいいのです。
お酒が好きだったらしく、いったん飲みにでると二、三日帰らないなんてこともあったそうです。滝田氏の描くお酒の場面を見てると、飲みに出かけたくなるほどです。
1990年にまだ50代で亡くなられたのはほんとうに残念です。
by BigBrother
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