戸川猪佐武「政治家」 角川書店 2002.9.7


「政治家」  田中康夫さんが長野県知事に再選されました。メディアは圧勝の背景をいろいろ分析してくれましたが、その一つに選挙民の現状に対する閉塞感をあげていました。有権者は田中康夫さんに今までの政治家にない魅力を感じ、期待を込めたというのです。もちろん、これまでの田中康夫さんの政策が支持されたこともあったわけでしょう。
 「経済一流、政治は二流」と言われたバブル期が夢の頃のようさえ思われる現在、政治の重要性は高まってきました。ただ、これまでの日本の政治は公共事業に力を置いてきた気がしますし、いまもなお公共事業への要望は強いのですが、それにしてもこれまでのような道路、ダムなどの建設、土建業界中心の公共事業を見なおそうとする動きは今回いよいよ切実になってきました。
 私たちの日常生活は現状維持で十分ですから、目新しいことをする必要はないと思います。ですから、けっきょく、政治にしろ、経済にしろこれまでのシステムを現状に合わせることなんでしょうかね。
 この戸川猪佐武さんは「小説吉田学校」で有名です。この「政治家」は「小説吉田学校」の理論的著作といっていいかもしれません。
 政治の必要性、政治とは何かを説き、政治家の類型を分類し、政治家の条件等を論じています。しかし、無味乾燥にならずに、おもしろく読めるのはやはり、ベストセラー「小説吉田学校」の著者ならではですね。
 政治学についてはほとんど知らないので、専門家がどのような評価をこの本に下すかは分かりませんが、私には政治や政治家を考える上での手がかりを与えてくれる本です。
   

by BigBrother  

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