さいとうたかを「さいとうたかを劇画座招待席」全70巻 リイド社 2002.9.17


「シャドウマン」  よく言われていることですが、戦前の日本のマンガは手塚治虫によって集大成され、手塚治虫から戦後マンガが出発します。ヒューマニズムを核にして、質の高い笑いと涙を描いたものでした。こうした手塚治虫のマンガは有名なトキワ荘の住人たちに多大な影響を与えました。
 手塚治虫の本流に対して、意識的に異なる立場のマンガ家が登場します。彼らは人間の負の一面を抉りして、これをあからさまに描くようになります。このマンガがいわゆる劇画なわけです。ですから、必然的に劇画の特徴は暴力的な描写となりました。
 さいとうたかをもこうした劇画に深くかかわった一人です。
 「ゴルゴ13」の作者で有名なさいとうたかをは、他のにも様々な作品を描きました。その世界を知ることができるのが、この「さいとうたかを劇画座招待席」全70巻です。残念ながら、今は絶版ですが、古本屋でこつこつ集めれば案外安く全巻入手できるのではないかと思います。
 この作品集は「シャドウマン」「デビルキング」などのSFものから、「無用之介」「影狩り」などの時代劇まで、様々なジャンルにわたっています。なかでも、時代劇は平均して質が高く、その力量には感心します。
 古さを感じさせるものもありますが、どの作品も娯楽に徹しています。プロとしての誇りが伝わってきます。
 こうした作品を呼んでいると、さいとうたかをの凄さを再認識しますね。
   

by BigBrother  

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