夏です酒の肴考
夏ですまたまた酒の肴考またまたまた酒の肴考 2003.6.23

=「あらいについて」=
「あらいについて」

 「あらい」といえば、すぐさま「コイのあらい」が浮かびます。鯉の刺身を冷水をくぐらせることで、川魚特有の泥臭さがなくなり、さっぱりとした風味に変わるため、他のコイ料理はにがてでも、「あらい」なら大丈夫という人も多いですね。
 コイの調理法としておなじみの「あらい」ですが、何もコイだけの専売特許ではありません。スズキ、タイ、といった白身魚にも、この調理法は有効です。
 刺身の生臭さが消えるほかに、冷水が身を引き締めるというもう一つの効果があります。やわらかすぎるきらいのある白身魚も氷水に泳がせることで小気味良い食感が生まれるのです。
 いいことずくめの「あらい」にもちょっとだけ注意を払わなければならないところがあります。それは「あらい」すぎると、旨みまで流れてしまいかねないところです。これを防ぐには、経験をつんで頃合をしっかりと頭に叩き込むしかありません。
 あらいとは直接関係はないのですが、食材を冷水にさらして、その風味を弱めることなく、食材を引き締めて快い食感を楽しめむことができるように、考え出されたのが、「湯引き」だと思います。食材をさっと熱湯にくぐらせてから、冷水にとって食材を引き締めます。熱湯の効果で、食材の旨みを封じ込めることができますし、まったくの生とは違う旨みが引きだされます。「さらし鯨」なんてのはこの手の代表と言えるでしょうか。
 つまり、「あらい」の極意は食材の旨みが逃げないように、指先が痛くなるほど冷えた水で大胆かつ慎重に行うことが肝要なわけです。
 しかしなかには、ひたすら洗ったほうが旨くなる「イワシのあらい」もあります。大衆魚のイワシに関しては、洗えば洗うほど、高級料理に化けると言われています。アブラのきついイワシならではのことですね。「あらい」の回数を省いて手っ取り早く済ませるには、塩を振ってはしばらくしてから水ですすぐ方法があります。
 まさしく、「あらい」は夏にふさわしい調理法の一つです。

by BigBrother  


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