私の好きなまんが
1997.5.19
「アタゴオル物語」(全6巻) ますむらひろし 朝日ソノラマ
数年前に宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」(ちなみに1996年の賢治生誕100年にあわせて、このレーザディスク版が発売されたそうです)がアニメ化されました。登場人物はすべてますむらひろし氏フアンにはおなじみのキャラクターです。なかでも強力なキャラはヒデヨシです。彼(といっても猫ですが)が登場する「アタゴオル物語」はたびたび読み返す作品です。
最近のますむら氏の活躍がどのようなものかを実は知りません。手元にある「コスモス楽園記」の第5巻は、平成2年ですので、これ以後の作品は目にしていません。
「アタゴオル物語」にはその姉妹篇の「アタゴオル玉手箱」があります。この作品が現在完結したのか、あるいは連載中なのか知りませんが、第7巻の印刷が1990年ですので、おそらく完結しているかもしれません。
漫画家が長期の連載をすれば、連載当初と終わりとでは同じ作品で絵が変わってきます。ましては長年にわたって活動していれば、当然絵のタッチが変わってくるものです。ますむらひろし氏の描く分野はファンタジーに大きく分けられるでしょう。初期の頃の作品にはグロテスクといってもいい、味わいがありました。私はこの味わいのほどよく効いた「アタゴオル物語」が気に入ったのです。まんがは絵によって物語るわけですので、もとより絵が重要なのは言うまでもありません。なかでもファンタジーはその作風によって左右されるのではないかと思います。線の感じがかなり変わりました。それによる背景の書き込みのかもしだす雰囲気も変化しました。私はやはり「アタゴオル物語」の絵の味わいが好きです。

検索したMangaの情報によれば、1996年に「アタゴオル玉手箱」は9巻まで単行本化され、なお雑誌に連載中であったといいます。また1996年という年は、過去の作品も含めて、ますむらひろし氏の作品が相い次いで出版された年だったということです。それまでの2年間ほとんど単行本の出版がなかったそうです。また1997年の3月には「青猫島コスモス記」スコラ社が出版されたということです。
「ごくろう3」(全2巻) 望月三起也 小学館
「ワイルド7」で有名な望月三起也氏の作品です。この「ごくろう3」は作者が得意とする戦争もののバリエーションの一つです。戦争の悲惨さを皮肉を込めてスラップスッテイク風に描いています。
時は第2次世界大戦の終結も間近い頃です。ドイツの伯爵家に嫁いだバイタリティーの塊のようなおばあちゃんとその娘、それからその娘の夫で日本人の国文学の助教授です。この二人は新婚という設定です。この3人が日本へ帰国する間の珍道中の物語です。全10話ですが、それぞれの題はすべて駄ジャレで、これも楽しませてくれます。
第1巻
第1話 新婚旅港、第2話 杭の片道切符、第3話 さらば首よ、第4話 足袋路の果て、第5話 羽折り損、第6話 トンネル小路、第7話 さむらいのギャンブラー、第8話 猿の学生、第9話 巌流島の血統
第2巻
第1話 オオ空みよ、第2話 女王陛下のゴリラ、第3話 これは死っ刑、第4話 珍リロリン、第5話 駆逐艦チドリアシ、第6話 ひっくりカイロ、第7話 霧霧舞い、第8話 星の老嬢様、第9話 沖みやげ、第10話 次はおぼろに東山
「夢幻紳士」高橋葉介 朝日ソノラマ
岩波文庫の「サロメ」のビアズリーの挿絵を連想させます。彼の絵の独特の雰囲気は筆の使用から生まれてきたようです。そのことを以前あるインタビューの中で言っていました。現在も筆を使用しているのかは知りませんが、雰囲気はそのままに残っているようです。といっても最近のものは目にする機会がないのですが・・・。
絵はメルヘンタッチですが、怪奇と幻想、ブラックユーモアに満ちています。好きな作家の一人に夢野久作氏がいるようです。
この「夢幻紳士」はその後も描き継がれ、徳間書店から「夢幻紳士 1活劇編」「夢幻紳士 2冒険編」など出版されています。
著者の作風をよく伝えている「ライヤー教授の午後」のレイアウト
「春ウララ」全7巻 石川優吾 集英社
最近氏の連載中のマンガが鈴木京香主演でTV化(私は予告CMしか見ていませんが)されましたが、むしろ、「童占L(タンキー)」のほうで知っている方も多いでしょう。
主人公の男子高校生の小林君は、ひょんなことから女装して女子野球部に入部するはめとなります。おまけに女子寮で暮らすということになります。美少女に囲まれた小林君のもんもんとしたどたばたぶりが、最初の頃のマンガの内容でしたが、ストーリーは途中からやくざの次女、桜田みづきちゃんと小林君とのはちゃめちゃな恋愛ぶりへと変わります。7巻の最後に、登場人物たちの「その後」が短い文章で書かれています。石川氏のキャラクターに寄せる愛情が伝わってきます。
「NANTOKA NARUDE SHO!」江口寿史 角川書店
江口寿史氏が編集長をつとめるコッミクCUEが3巻で終刊したとのうわさが流れています。だいたいこのCUEも1995年の第1号から、年1回のペースで発売されてきたのですから、年数だけは3年も過ぎています。常識的には、いつ廃刊になってもおかしくない状態です。
それはさておきこの中の「トーマス兄弟」のものの下品でブラックなマンガが好きですね。「地獄少年・うしみつくん」のギャグも好きです。
by BigBrother
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