「こりずにまた酒の肴考」
1997.7.6
おそらく日本人でウオッカを愛飲する人はそれほど多くはないでしょう。それよりもウオッカといえば、これをベースにしたカクテルが思い浮かびます。ソルティー・ドッグ、スクリュー・ドライバー、モスコー・ミュール、などなど。いずれもソフトドリンクと変わらないほど飲みやすく、女性にも人気の高いカクテルですが、案外アルコールが強いものばかりです。これらのカクテルが口当たりのいいのも、蒸留酒の中でもウオッカ自体がさらに癖のないためだからでしょう。こうしたウオッカの特性はカクテルのベースには確かに向いているわけですが、逆に芳醇な日本酒を愛する左党にはウオッカを敬遠させてしまうことになるかもしれません。
ウオッカの中にはフレバード・ウオッカと呼ばれるタイプがあります。レモンやとうがらしなどで風味をくわえたウオッカです。こうしたフレバード・ウオッカのなかでもっとも有名なのが、
ポーランドのズブロッカでしょう。この酒の名はボトルに入れられている草から由来しています。この一茎の香草がウオッカを薄緑に染めています。ボトルのラベルの絵はズブラという動物だそうです。この香草を好む野牛が極めて威勢が良かったため、この香草は薬効もあるとしても珍重されるようになったそうです。このズブロッカを愛飲している方はかなり大勢いるのではないでしょうか。
一般的な飲み方を紹介します。もちろんお湯割にしようとも、水割りにしようとも、どういうように飲もうともお好み次第ですが....。冷蔵庫の冷凍室で瓶ごと凍るほど冷やしておき、同じように触ると手が吸いつくほど冷やしたグラスに注ぎます。グラスの大きさは一口か二口で飲み干せるほどがいいでしょう。酒がどんなに冷えていても、アルコール度数の高いズブロッカは口中でたちまち芳香を放ちます。水割りやオンザロックではこの感じはちょっそこなわれます。健康を考えてチェイサーを用意しておきましょう。
肴はなくても構わない種類の酒ですが、今日はキュウリのピクルスがあります。さっぱりしたピクルスがズブロッカの香りを引き立たせます。最初の一杯目の感覚が戻ります。思いのほかグラスを重ねてしまいそうです。
蝉時雨ピクルス挿話のように食う 久方曇天
by BigBrother
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