「ますむらひろしの初期作品について」
1997.8.14
ますむらひろしの作品は初期の作品群が私にとっては最も愛着するところです。そのなかでも『アタゴオル物語』(朝日ソノラマ)は質、量ともに文句なく第一位にあると思います。
この『アタゴオル物語』は「ファンタジーゾーン」として、マンガ少年に連載されていました。しかしこの「ファンタジーゾーン」の名のもとに最初に登場したのは、『アタゴオル物語』ではありませんでした。『アタゴオル物語』の第1話「影切り森の銀ハープ」が登場するのは「ファンタジーゾーン」においては第3回目になります。『アタゴオル物語』と同時期に生みだされた作品群は作品集『永遠なる瞳の群』(朝日ソノラマ)に収録されました。もちろんどれもすばらしい作品です。なかでも「氷山1977」は好きな作品です。皆さんも機会がありましたらごらんください。
『ジャングル・ブギ』全2巻(朝日ソノラマ)も初期作品と言っていいかと思います。この作品は『アタゴオル物語』の「植物見張り塔」の後日談となっています。ヒデヨシたちは登場しませんが、ギルバルスを初め、名前もないちょい役たちがあらためて主要な役まわりで登場します。『アタゴオル物語』とは一味違いますが、ますむらひろしの作品の中ではもっとも緊張感溢れたシリアスな冒険ものとなっています。
それより、私にとってなによりうれしいのは、『ジャングル・ブギ』第2巻に併録されている「人間が人間でなくなる日」がなかなかの作品であると言うことです。この作品は1976年とクレジットされているので、間違いなく初期作品群と言っていいと思います。ややグロテスクで不思議な味わいに満ちた一編です。
私は初期作品の『ヨネザアド物語』と『青猫島コスモス紀』とをいまだに読んでいません。ぜひとも一度見たいものです。
『永遠なる瞳の群』朝日ソノラマ(1979・5・30)
*収録作品
永遠なる瞳の群、自動販売機、夏の終わりにやって来た春
理科室の地下で、氷山1977、ぼくらが地上に帰る時(ここまで『アタゴオル物語』と同時期)
霧にむせぶ夜(デビュー作品)、1975、再会
母なる大地の子どもたち、星ふる夜の天使たち
『ジャングル・ブギ1』朝日ソノラマ(1982・3・30)
*収録作品
ジャングル・ブギ(NO.1〜4)、いえろうぶっく、前夜
『ジャングル・ブギ2』朝日ソノラマ(1982・12・15)
*収録作品
ジャングル・ブギ(NO.5〜8)、SUNNY AFTER NOON
博士の好きな猫の目時計、人間が人間でなくなる日
バルトの森
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