「あきずにまた酒の肴考」 1997.8.20

 秋きぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる



 射しはまだまだかんかんと照りつけますが、夜風には秋の気配が漂っています。夏も間もなく終わろうとしています。
 なにからなにまで殖の多い昨今ですから、旬ということなどいまさら関係ない御時勢となっています。そうは言っても、これから本格的に魚が旨くなっていくのですから、魚好きにとっては、楽しみな季節が始まりました。ということは論理的に考えれば、夏という季節では魚が満喫できないということになります。夏の魚といえば、海のものは、鰹、鱧、鰻、川のものは鮎といったところでしょうか。いずれにせよ一番落ち込む季節です。
 こうした中で奮闘してくれるのが、大衆魚のです。鯵は一年を通してコンスタントに入荷します。この鯵の料理で夏向きの一品といえば、ご存知鯵のタタキです。私は入念にたたいたものより、そのまま刺身でもいい新鮮な鯵を、細かく切ったショウガと葱で軽く和えただけのものの方が好きです。
 ここで扱いに注意したいのが紫蘇です。普通なら青紫蘇は決して主役になりません。
しかし青紫蘇は大根とならんで刺身のツマにされることが多い名脇役です。場合によってはそのまま捨てられてしまうといった悲劇の脇役です。ただこの青紫蘇はんぷらにすると、これがまた酒の肴となります。

 家のプランターの中ではこの青紫蘇がいま今を盛りと生い茂り、その独特の芳香を放っています。今日は青紫蘇を細かく刻んでタタキと一緒にすることにしましょう。

by BigBrother

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