大島弓子「ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコリーニコフ=罪と罰より=」サンコミックス
1997.11.4
読書の秋ですね・・・たぶん。最近とんと読書と呼べるような読書からは遠ざかっている身ですから、いまが読書にふさわしいか判断しかねますが。そのかわりといってはなんですが、まんがを日々漁っています。ちょっと恥ずかしくはありますけれど。久しぶりで訪れた古本屋で「ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコリーニコフ=罪と罰より=」というまんがを見つけました。興味を引いたのは「罪と罰より」という文字でした。これはドストエフスキーの「罪と罰」をまんが化したものです。
ドストエフスキーの作品の中で私が一番最初に呼んだのが「罪と罰」でした。これは確か高校の頃読んだと思います。今から2年ほど前に再読してそのすばらしさにあらためて感じ入った次第です。ちなみにドストエフスキーの作品の中でもっとも感心したのが「カラマーゾフの兄弟」です。この作品のすごいところは数々あります。それを説明するより、実際に読んでもらった方がてっとりばやいでしょう。ただそのすごさを私なりに表現するなら、「デェーモニッシュ」という感想を抱いた唯一の作品だということです。
「罪と罰」で思いだすのは、ある年配の方とたまたま若いうちは読書の大切さを話したことです。この方が「罪と罰」の書名を口にし、その面白さを述べた時にはちょっとびっくりしました。そういう人物には見えなかったからです。そのすぐ続けた言葉は「いいですか、やっぱり男は女で人生を棒に振るような真似をしてはいけないということを学ばなければなりません」でした。当人はえらくまじめで、冗談を言っている素振りすらありませんでした。
確かにこうした教訓を引きだす読み方ができます。私はむしろこうした読み方をする人に親近感を覚えますが。
最近まで「罪と罰」をはじめとしたドストエフスキーの作品は確かに素晴らしい作品だけれども、すでに時代遅れではないのか、と心のどこかで思っていました。ですが、2年前に「罪と罰」を再読したのがきっかけとなり、これまた久々に「カラマーゾフの兄弟」を読み返し、その今日にも通じる作品内容に深く考えさせられました。「罪と罰」と「カラマーゾフの兄弟」とに多くの類似点や共通点があると思うのですが。おそらく作者が生涯を通じて追い求めた問題が述べられているからなのかもしれません。読書の秋ですので、また久々にどちらかを読んでみようかとも思います。たぶん読まないでしょうけれども。
まんがの方はちょっと感傷的過ぎるものとなっています。特に終わりの場面そうなのですが、しかたがないですね。それでも真正面からまんが化に取り組んでいる姿勢には好感がもてます。
by BigBrother
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