望月三起也「ジャパッシュ」全3巻双葉社 1997.12.4

 表題作はもちろん力作ですが、3巻目に併録されている三つの短編「風」「続・風」「ひまわりっ子」がいいですね。題名から分かるように、このうちの「風」と題される二編は続きものです。作品開始直後、舞台と登場人物の設定は次のように述べられています。

    明治と年号がかわって間もないころ、まだ武士は二本差しだったし、汽車も走ってなかたった。大きな変化は旧徳川家の侍たちがいっきに負け犬あつかいとなり、住みにくい世の中となった。そんな一人五代十兵衛、元旗本500石取り。鳥羽伏見の戦いで死んだ友人の養女をほんとうの父にあわせるべく旅をつづけている。

 このシンプルな設定を望月三起也の例のハードボイルドタッチのストーリーを展開させていきます。もちろん一方であのヒューマニズム色濃いユーモアもあります。ぜひ一読の機会をもっていただきたい、好短編です。


by BigBrother

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