「それでもまたまた酒の肴考」
1997.12.18
スシで一献傾けたい。もとよりそれは江戸前の寿司ではなく、鮒の押しずしですが。握り寿司はそれほど酒の肴としてふさわしいとは思えません。寿司屋で酒を呑む場合、まずちょっと切ってもらった刺身で、御銚子1、2本をゆっくり傾けたら、後はきっぱりと切り換えて、香り高い緑茶を喫っしながら寿司をつまむのが最高だと思うのですが。
NHKの番組を見ていたら、滋賀県の鮒の押しずしを放映していました。調理に使う鮒はニゴロブナといって琵琶湖固有の種だそうです。この鮒を産卵時期に捕獲します。それは腹に卵を持つメスをだけを食材にするためです。鱗をおとし、卵だけ残して内臓を丁寧にとりだしたら、2年から3年塩漬けにした後、再びとりだして塩抜きし一晩陰干ししたものを、御飯ともにつけこみます。この御飯が自然発酵するのですが、さらに少なくとも2年を経なければなりません。
番組の案内役は地元と縁の深い歴史学者の方でした。酒は好きらしく、「酒の肴として言うことないですね」とうれしそうに述べていました。こちらが気持ちよくなる誠実さと品格に溢れていました。
番組の最後で「かっては庶民の味も今では〜」というフレーズを挟んでいたので、相当値が張るようです。もっとも庶民の味と言った場合、地元でもじゃこの寿司が一般的のようです。これはニゴロブナではないのですが、同じく琵琶湖のおいかわやはすなどの淡水魚を使い、40日ほどで食卓にのぼると言うことです。
いずれにせよ寿司の元祖である押しずしはぜひ一度味わいたい一品ですね。

酒の肴という観点から見なければ、寿司は最上のごちそうです。昨年TV化されたこの原作本は庶民あこがれのにぎり寿司についての楽しい裏話に満ちています。
|
by BigBrother
[TopPage]
[New]
[BB's Room]
[Sake]
|