ぼくのオンリィ・イエスタディ「80年代思いだすままに」 その5
学園ドラマ
1998.2.13
現在社会はもちろん教育現場でも深刻な問題がマグマのように噴出しています。これはこのまま納まって行くのでしょうか?それとも大地震の前触れなのでしょうか?80年代に吹き荒れた校内暴力は、過ぎ去ったせいもあるでしょうが、今からすればまだ解決の糸口が見えていたような気がします。管理教育や偏差値教育の打破、ゆとりある学校生活、生徒の人権の尊重と、その目標がはっきりしていました。たとえそれが幻想に過ぎなかったとしてもです。思いつくままに挙げてみても、業者テストの廃止、段階的週休二日制への移行、推薦入試制度の導入と、かなりの改革がなされてもきました。もちろんまだまだだという人はいると思いますが。それにしても、最近の続出する事件はどうしてなのでしょうか。識者のご意見を是非お聞きしたいですね。
いずれにせよ、数々の教育問題は理想的な教育が実現される過程において解消されていくのだ、という確信が80年代には存在していたように思います。
これらを背景にして、学園ものドラマが登場してきたような気がします。確かにそれまでにも、「おれは男だ」、「飛びだせ青春」などがあり、そこには型破りな生徒あるいは教師が登場してきますが、それは熱血のあまりのことに過ぎません。対生徒あるいは対教師と、いがみ合いながらも、友情、愛、真実などが単純にして抽象的に語られる中で和解があり、最後は民主主義教育の謳歌に終わっていた気がします。間違っているかも知れませんが。
一方80年代のドラマには、従来の大人の価値を逸脱し、さらにこれを積極的に否定し、生徒の側に視点が据えられ、理想の教師像あるいは教育を念頭に描かれていたような気がします。それが可能であったかは別にしてですが。
「熱中時代」の放映は70年代の終わりだったかも知れませんが、これはその後シリーズ化され80年代に高視聴率番組となりました。熱中時代・刑事編というのもありましたっけ。
水谷豊の演じた北野広大は大学の成績はさほど優秀ではなく、どうにか小学校の教員に採用されますが、人間的魅力に溢れて生徒から慕われます。また彼をふくめて学校の教員が校長宅に下宿しています。そこでの彼の斬新な意見に同僚たちも目を開かれていき、真の教育とは何かを考えていくという設定でした。
その頃の水谷豊の人気はたいしたもので、「いっかーあ、せんせいはなあー」などのあの独特のイントネーションのフレーズは誰もが真似をしましたっけ。
次いで登場したのが、元祖ロンゲの武田鉄矢扮する金八先生でした。この「3年B組金八先生」シリーズは武田鉄矢主演以外にもさとう宗幸の仙八先生や岸田智史の新八先生のバリエーションがありました。私にとって思い出深いのはやっぱり最初の金八先生です。中学生妊娠の問題を扱ったシリアスな回もありましたが、それまでの学園もののほのぼのとした雰囲気も結構残しており、安心できたからでしょうか。トシちゃんこと田原俊彦、ヨッちゃんこと野村義男、マッチこと近藤真彦が「たのきんトリオ」で売りだしたり、三原順子デビューしたり、その後のシリーズ化ではシブがき隊、少年隊、沖田浩之や三田広子とあまたのアイドルを排出たことでも話題になりましたが。
杉田かおると鶴見辰吾が演じた中学生カップルの妊娠騒動はそれなりにショッキングではありましたが、金八先生は回を重ねるにしたがって、さらに深刻な話題を取り上げて行くようになったように記憶します。
なかでもある生徒が学校の教育方針に反抗した、さらには学校の放送室を占拠して、ついには中学校に警官が導入される内容は、あの有名な安田講堂のことを連想させもして、なかなかショッキングでした。BGMには中島みゆきの曲が流れていたことも、権威一般への正当な反抗という印象を与えようとするように思われました。曲の「戦うため〜ぇ」というフレーズは耳の奥から今も響いてくるようです。「おれは腐ったみかんじゃねえ」の科白がちょっとした流行語にもなりました。これは、近頃やらなくなりましたが松村邦洋さんのものまねネタでしたね。
最近の学園もの、といってもちょっと古いですが、で思いだすのは、「高校教師」、「人間失格」です。かっての学園ものとはその内容を一変してしまいました。ここしばらくは学園ものがないようです。もしこれから学園ものが放映されるとしたらどんな内容となるのでしょうか?
ところで、今年はみかんが安いですね
by BigBrother
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