「とにかく酒の肴考」 1998.4.3

信濃川夕暮れ  桜前線の北上を告げる天気予報聞くと、のんべえはパブロフの犬よろしく、花見が待ち遠しくて居ても立ってもいられなくなります。
 長岡の開花は風のたよりに聞こえてきました。しかしこの時節柄の風ことゆえ、かえって北風がたよりをどこかへ吹き飛ばしたり、あるいは南風がせかしたりなんてことになるわけです。
 長岡の桜はいずれ近いうちに音を立てて開くにしても、今のところはベルだけを聞いている切ないお預け状態です。
 そうはいってもまっとうなのんべえのことゆえ、「これはどこかで花見の予行練習をしなければならん!」なぞと腹に決め込んでいる始末。
 うららかな陽気が夕方まで続くものなら、のんべいが腹に潜ませているという酒虫が相談を持ちかけてきます。「のんべい殿、缶ビールと肴を適当にみつくろって、信濃川の遊歩道へでもでかけることにしませんか?」
 異論のあろうはずもなく、むしろ戸外での飲酒にちょっとした禁断の愉しみを予感して、なんとなく浮き浮きとしてしまいます。
 もちろん日本でもほめられてことではないのですが、外国ではしばしば逮捕されることにまで至るということを聞きました。
 一人の酒宴は長岡大橋のやや下手の遊歩道。ジョギングする人々。河川敷でキャッチボールをしてる子供たち。犬をつれて散歩する人。テイクアウトのハンバーグを食べている恋人たち。にぎやかにさわいでいる若者のグループ。
 腰をおろした芝生は、乾いて枯れているのですが、新しい緑の気配がうかがえます。
 夕陽を見ながらビールを飲む。肴は途中で買った焼鳥。戸外で酒を飲むというのはいいですね。あれは飛行機雲だとか、まだ鋸山にはあんなに雪が残っているのに、弥彦はかなり融けたとか、橋の上を車がひっきりなしに走っているとか、思いながら。
 酔いが体をつつみ込みだしたら、こんなことをそそのかした酒虫と馬鹿話のやりとりしましょう。それにも飽きたら鼻唄まじりにご帰還といたしましょうか。
 最後に。「花見はびしっと決めるぞ!」

by BigBrother


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