「とにかくまた酒の肴考」 1998.4.14

家のおから  お通しというのは日本だけの飲み屋のシステムなのでしょうか?いつもなにげなく口にするお通しですが、考えてみれば頼みもしない肴に代金を払わせられるなんて、理不尽のような気もします。
 「あれは飲み屋の儲けの手立ての一つで、仕方がないのさ」と教えてくれた人がいました。そもそも、誰の好みにも合わなければならないという条件のお通しが、個性のない無難な肴となってしまうのも、当然のことなのかも知れません。
 こうしたお通しだからこそ、「お通しは店の顔である!」と言っても過言ではありません。
 私はお通しの存在そのものに疑問をいだいているので、できあいの漬物けやかわきものを目にすると、店に対する不信感がむくむくと兆してきます。また、お通しが前もって分かればいいと思います。例えば枝豆がお通しだったとしたら、ビールを頼もうかとなります。さらに欲を言えば、数種類のお通しから選択できれば・・・・。無理ですかね。
 とにかく心意気が伝わってくるような手作りのお通しには、期待が高まります。
 生のあるいはさっと茹でた蛍いか、自家製のいかの塩辛、動いている蛸の足のぶつぎり、人参の白和え、海老しんじょ、おから、にんにくの芽の炒めもの、などなど。これらは実際に口にしたお通しです。特に見附の海老名のお通しのいわしぬたには感心し、別に注文したほどでした。
 このように一喜一憂するんだったら、例えば家でおからで飲んでいればいいわけですから、このお品書きにない肴にたいしては店の状況を名探偵気分で推理して愉しむ心の寛大さを持つべきなのかもしれません。

by BigBrother

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