長岡のプレイスポット その=13「不動滝」 1998.5.9

不動滝まで
 滝の景観は不思議と目を喜ばせてくれます。暑中には一服の涼として、寒中には凛烈たる鋭さとして。

 栖吉の山懐の渓流の一つに、けっして大きくはありませんが、風格をそなえた滝があります。不動滝入口の案内標識から、所々水で抜かるみになった山道を15分ほど歩けば、目的の滝にたどりつけます。辺りに木洩れ陽が落とす光の斑が静謐さを醸しだしています。下の方から響いてくる水の音は山の静寂をかえって深めます。

 滝口の横には鉄の鎖が据え付けられています。これを頼みに滝壷の脇に降り立って振り返ると、新緑のざわめきの中に滝の名が由来する不動明王の静かな眼差しに出会えます。

不動明王
 石に彫られた不動明王は古代インドのレリーフ像の趣を漂わせています。光背の火焔がその印象を一層強めています。近寄れないので分かりませんが、一枚岩を彫りだしたのかも知れません。年代は見当もつきません。ただ古いにせよ、新しいにせよ、なかなかの男前です。厳しい表情の中にもどことなく剽軽さがありますから、二枚目半と言った方が適切でしょうか。途中にあった薬師如来とは違います。この小さな石仏は端正な表情でまどろんでいるようでした。
薬師如来
 不動明王にはこの数年の間一年に一度は会いにきます。まるで好意が恋にゆっくり発酵していくかのように、来る度に惹かれていきます。ただ私の口に合うだけの葡萄酒なのかもしれませんが。

by BigBrother

 [TopPage] [New] [BB's Room] [プレイスポット]