あだち充「みゆき」全12巻 小学館 1998.5.12

みゆき10  大学の研究室に誰が置いたのか、あだち充の作品が置いてありました。「ナイン」、「陽あたり良好」、「みゆき」、「タッチ」。「タッチ」をのぞき、他の作品は完結していました。

 ぼくはあだち充という名を聞くと、「節税のうまいまんが家」というフレーズを連想します。天文学的に売れているのに、長者番付の上位に顔をださないよう、よろしくやっているという風聞があったからです。本当かどうか知りませんが。

 それはともかく、「タッチ」と並んで、あだち充の代表作なのがこの「みゆき」です。両者とも説明する必要もないほど、ヒットしました。ぼくは「みゆき」の方が好きですね。

 作者は少女雑誌に連載した「陽あたり良好」で一躍ゆうめいになった、と聞きましたが、そういえば「みゆき」の兄と妹の恋物語という設定は少女まんがによくあるパターンのような気がします。

 内容もこれまた説明するまでもないので、同じく割愛。

 ただ、よくよく考えてみれば、血のつながらない妹のみゆきの方はけっこう恐ろしいのではないかと思うのです。結局、最初から自分の方も兄とは血のつながっていないことを知っていたのですし、兄の方はそのままで行けばクラスメートのみゆきとよろしくなっていたのが必然だったのに、なんやかんやと邪魔しているからです。おまけに挑発もしていますしね。それに土壇場でああいうこと(これまた割愛)をやってしまうと、血の雨が降らずにすまないもんですが。まあ、まんがだからと言えばそれまでですけれど。

 それでもこんなたわいもない話で最後まで引っ張って行く力量はたいしたものです。むしろ、たわいもない話をおもしろく見せているのですから、その才能たるや並外れていると言っていいと思います。

by BigBrother

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