「BALLADS & BLUES」(1956)
1998.5.23
- SO IN LOVE
- THESE FOOLISH THINGS
- SOLITUDE
- THE SONG IS ENDED
- THEY DID'T BELIEVE ME
- HOW HIGH THE MOON
- GERRY'S BLUES
- HELLO
- BRIGHT BLUES
MJQことモダン・ジャズ・カルテットのジャズファンを越えた幅広い成功は、クラッシクの室内楽の雰囲気を大いに取り入れたからだと聞きました。それは主としてピアノのジョン・ルイスによるもので、演奏や編曲にもクラッシクぽさが漂っていました。この方針の中でメンバーのヴァイブ奏者のミルト・ジャクソンには、むしろこてこてのジャズを聴かせてくれるように、音楽的な役割を負わされていたのだといいます。これによって、クラッシクものどきのコンボに堕すことなく、しっかりしたジャズフィーリングを聴かせてくれる人気グループとなったというのです。おそらく、その通りだと思います。
ミルト・ジャクソン自身にどんな心積もりがあったのか分かりません。ただぼくには、木琴の親戚みたいなヴァイブという楽器はジャズ向きというよりも室内楽向きであるとい印象を受けます。ミルト・ジャクソンがいくら思い切りばりばりのジャズにしようとしても、金属音特有の透明に冴え渡った音色によって、静謐さを帯びた演奏となります。結局はジョン・ルイスの意図の内に納まっていたのではないかと思うのです。
そういうことを考えればむしろヴァイブによる演奏が、ジャズフィーリングに満ちたものになるのはかなりたいへんなことのように思うのですが。
それでは、ミルト・ジャクソンの演奏が品行方正の優等生タイプかというと、そうとは言い切れないところがあります。そのことは、彼がこれ以上ジャズらしいジャズはないというあの名曲「BAG'S GROOVE」の作曲者であったことを思いださせてくれます。
ミルト・ジャクソンの演奏は、端整にして野性的、むしろ野性味を取り込んだ端整さとなっています。このようなバランスのとれた演奏だからこそ、MJQを成功させる原動力にもなり得たのだと思います。そしてバラードとブルースからなるこの一枚が名盤となっているのも当然なのでしょう。
by BigBrother
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