楳図かずお「おろち」全6巻 秋田書店
1998.6.18
ご存知楳図かずお氏の代表的な恐怖まんが。題名の「おろち」は語り手の少女の名前に由来します。今どきの言葉でいえばナビゲーターというところでしょうか。この不思議な能力をもつ少女は人間の悪意、善意、嫉妬、恐怖、勇気、愛情、憎悪といった諸々の情念の行方を見守り続けます。場合によっては積極的に事件に介入します。例えば「骨」という作品において。また場合によってはまったくの傍観者に徹します。例えば「眼」という作品において。
恐怖まんがと片付けてしまうにはなかなか味のある作品です。作者が恐怖を追求するために、人間の心の不可解さをこれでもかというまでに暴露し、増幅して示してくれるからでしょう。おろちが活躍する場面が多い「骨」という作品は、結末をリアルタイムで読んで、そのあまりに救いのなさにショックを受けたことをいまだに思いだします。
by BigBrother
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