ライナー・ノーツによれば、ピアノのジョン・ライトの本来の持ち味はブルース・フィーリング溢れる点にあるということです。たしかに全曲のうち半分を占めるオリジナル曲はそうしたブルージーな雰囲気が色濃い優れた演奏となっています。ライナー・ノーツの言葉を借りれば「オリジナルにゴスペルからの影響を聴くことができる。そこに彼の個性が発揮されてるようだ」ということになります。 ただ、私が惹かれるのは、むしろライナー・ノーツの解説者が個性が発揮されていないとみた演奏の方です。1曲目のリラックスした演奏が漂わせているユーモアと、それでいてそこはかとなくたちこめるペーソスが、この作品を好きにさせました。2曲目は1曲目のペーソスとユーモアを逆転させた演奏となっています。甘美なペーソス溢れる演奏に隠されたユーモアの味わい。そして3曲目の「ウイッチクラフト」で繰り広げられる軽快な演奏のペーソスとユーモアのほどよい調和。確かに全曲を通じてブルース・フィーリングが感じられますが、前面に押出しているもオリジナル曲よりも、さりげない味わいのなかにさまざまな陰翳が明滅する演奏のほうに心が動かされます。特に1曲目の「THINGS ARE GETTING BETTER」は一番好きな演奏です。もちろん全曲味わい深い演奏となっています。 by BigBrother
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