「BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA」は、そのままだと「悪魔と青い深海の間で」ってことになるのだろうけど、絶体絶命と訳される決まり文句らしい。典拠はなんなんだろう?「前門の虎、後門の狼」は似てるけど、同じ意味だっていっていいのかな? 夢の中でしょっちゅう体験する絶体絶命はどれもが荒唐無稽だから、醒めるとかえって笑い出したくなってしまうね。日常生活の絶体絶命ってやつは真綿で首をしめつけるように迫って、本当に逃げようがない気分になってしまうのだから、こっちの方が本当の悪夢だ。 ただこの「BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA」はのろけいっぱいのラブソングだ。曲調は軽妙で屈託ない気分に溢れているんだ。例えば、ジャズシンガーのアニタ・ロスがこのナンバーを歌っているのだけれども、恋に浮き浮きした気分をうまく表わしているのさ。 このソニー・ステット・クァルテットの「パーソナル・アピアランス」はスタンダード中心の男っぽいソニー・ステットのテナーのワンホーンで、どちらかというとあんまりラブソングむきじゃないけど、スカットする演奏だから、じめっとした蒸暑い時節柄にはもってこいの一枚だ。「BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA」もそうした調子なのさ。あんまり色気はないけどね。でも、超名盤になるくらいだから、曲を実にうまく料理しているって印象は受けるよね。それは4曲目の「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」にも言えることだけれども。だからかえって聴けば聴くほど味がでてくるんだね、スルメみたいにさ。そんなこといってたら、スルメでビールが飲みたくなっちまったよ。 by BigBrother
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