王朝人の春の過ぎるのを惜しむ気持ちは、西行法師の桜にたいする偏愛おいて頂点を極め、今もなお花見の宴にひそかに忍び込んでいます、たぶん。 ゆく春に対する感慨は現在も変らないとしても、それにもまして現代人は過ぎ去る夏を惜しむこと、春以上です。夏休み、海水浴、水着、西瓜割り、かき氷、風鈴、花火、冷やし中華、等々。旬など関係ないご時勢ですが、それでもぴったりとはまり込むのは夏という季節の中です。 夏はビール党にとっても、待ちに待った季節です。生ビールがうまいのも、夏の灼けつくような暑さがあればこそです。肴も旬のものを味わいたいですね。
そこで選んだのは、ししとうです。 夏の陽射しのなかで育ったししとうには青臭さはありません。これにはシンプルな調理法こそ最適です。 まず、これでもかと熱っしたフライパンに多めのサラダ油を流し込みます。薄煙が立ち上ったら、食いたいだけのししとうを入れて、薄皮が焦げて破れるほどに焼き上げます。仕上げは塩を振るだけです。
口に放り込んだししとうを齧ると、熱いのですが、それでいて清涼感を与えれくれるオツユが口中に広がります。もとよりほどよい辛さはビールにぴったりします。 by BigBrother
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