花田清輝「復興期の精神」講談社学術文庫  1998.8.30

花田清輝「復興期の精神」講談社学術文庫  花田清輝氏についてはほとんど知りませんが、この「復興期の精神」はまんが以外で久々に手にした本です。

 太平洋戦争下の言論の自由が奪われた中で、ルネッサンスの人物に仮託しつつ、著者の思いを述べています。

 こうした歴史的背景を知ったうえで、あらためて読みなおすと、許される限りに、戦時下での批判を繰り広げているのが感じられます。

 この著書はそうした点もすばらしいのですが、著者の卓越したレトリックと縦横無尽の語り口によって、いままで抱いていたルネッサンスの天才たちの像が一新されるところにもあります。実に目から鱗が落ちるような新鮮な思いを味わえるのです。

 それとなんと言っても、この著書のいいところは希望を与えてくれるところです。いい年をして、一冊の本に勇気づけられた、なんてことを言うと何だか気はずかしいのですが。こんなご時勢だから元気のでるこの「復興期の精神」をお薦めします。読書の秋にふさわしい一冊だと思います。

by BigBrother

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