白土三平「ワタリ」全5巻 講談社  1998.9.1

ワタリ 第5集 表紙  白土三平氏の名作は「カムイ伝」だとは、今では思います。ただ、子どもの頃アニメの「カムイ外伝」、「サスケ」をわくわくしながら見ていた身としては、立川文庫的な荒唐無稽さにこそ白土三平氏の面白さがあるような気もします。もっとも超自然的な忍術は一応科学的な説明がされているのですが。それでも、アニメに興奮しながらも、なぜ超人的な能力を有する忍者が天下の覇者たりえることができないのか、不思議に思ったことも事実でした。

 この「ワタリ」は「カムイ伝」と「サスケ」の中間にある作品といったらいいでしょうか。時の支配者から自由であることをのぞむワタリはその忍術の限りをつくして、追っ手と戦います。

 真の敵は誰かという推理小説的な謎と度胆を抜く忍術比べと忍者間の対立を動的に捉らえている、という凝ったストーリーはなかなか面白いものです。間違いなく「ワタリ」は白土三平氏の代表作であると断言していいと思います。

by BigBrother

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