川崎のぼる「いなかっぺ大将」全4巻 日本文芸社  1998.9.4

「いなかっぺ大将 4試練編 表紙  ご存知川崎のぼる先生の痛快ギャグまんが。ギャグはあまりに古典なため、かえって今でも大いに笑えるというすぐれもの。もしかしたら私の趣味が古いだけなのかも知れませんが。いやいやそうでないはず、皆さんもぜひ確かめて下さい。

 青森生まれで、動物と話し合うことのできる風大左衛門こと大ちゃんが引き起こす珍事件、珍騒動の数々。設定は金太郎を連想させます。柔道に精進する場面も多く取り入れる意図があったような気もしますが、いつしかギャクがメインになたような印象を受けます。話の展開からすれば、大ちゃんの死んだ父との約束ということで、友人の大柿矢五郎が柔道をみずから仕込むはずだったのが、その後単なる身元引受人になってしまっていますから。もっとも最初から読者をはぐらかす気でいたのかもしれません。いずにしても私はギャグいっぱいの「いなかっぺ大将」が大好きです。

 熱血の柔道では己れ自身がライバルの大ちゃんですが、ギャグの次元では西一が最大のライバルで、ギャグの掛けあい、投げあいをしています。

 この作品はなかなか華があります。それは同郷の花ちゃんや大ちゃんの担任白雪ケメ子先生がうまく描かれているからです。それとなんといっても大柿矢五郎の娘のキクちゃんが魅力的に描かれています。それにしても、川崎のぼる先生のまんがの女性はなんとまあ肉感的なことでしょうか。

 主人公が動物語が話せるという設定の中で、動物たちもいろいろと登場としてきます。その中でなんといっても忘れがたいのが、大ちゃんにキャット空中3回転を伝授した高知出身の猫のニャンコ先生です。大ちゃんのトレードマークのふんどしがはずれると身を挺して隠すこともしばしばです。それといい味だしているのが、犬の小左衛門です。

 このように脇役も丹念に描かれていることで、読ませるまんがとなっています。現在では文庫版で入手可能ですのでぜひ一読、あるいは再読をお薦め致します。

by BigBrother

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