「行ってきました!第3回長岡アジア映画祭」
1998.9.9
残
暑と言うにはそれほど暑くはなく、爽やかと言うには体のどこかが汗ばんでいる心地がする昼下がり。快晴の9月4日。第3回長岡アジア映画祭が開催されました。
今回の映画祭では、会期間有効のフリー券を購入して、全作を見ました。この券も入場のつどのはさみを逃れられず、哀れな姿になってしまいました。
今回せっかく全作を見たので、私の独断と偏見に満ち満ちた感想を、綴ることにします。
私の子供(フィリピン)
映画の冒頭で、映画の話は、事実は小説よりも奇なりの言葉が当てはまるほどの、あんびりーばぁぼぉーな事実に基づいているということが宣言されるのですが、果たして本当のことやら。ただ、おもしろさのつぼをおさえた作り方をしています。これは他のアジア映画にも共通していますが。
気になるのは、映画の中の日本人像です。恐らくは、あんな風に見えるのでしょう。
全体としてはお涙頂戴です。しかし、徹底してやっているのでかえって潔い印象を受けます。おもしろかった。
ナヌムの家U(韓国)
第2次世界大戦において日本軍によって行なったとされる慰安婦問題を取り上げています。
識者と言われている人の中には、働き口のない韓国の女性に仕事を与えてやったのだとする人もいると聞きます。これに対して、日本が韓国の富を纂奪することによって、貧困化にもたらしたのだと反論する人がいます。
私は難しいことは分かりませんが、いずれにせよ、戦争はよくないのだと思います。北朝鮮のロケットが日本上空高くを横切って太平洋へ落下したことを、日本に対する主権の侵害だとニュースが一斉に取り上げました。その伝でいえば、戦前の韓国への日本の行為は主権の侵害などという言葉で済まされないほどの、酷いことをしたのではないかと思います。
戦争や人権侵害などはえてして抽象的に考えて、判断を下してしまいます。そのため、とかくあたたか味のない判断となってしまうことに気をつけなければと、この映画を見て思いました。
孔雀の家(タイ・日本)
SFテイスト、あるいは仏教思想濃厚?な奇想天外な恋愛もの。けっこう楽しめました。
4日の様子
5日の様子
にいがた映画塾(5本の作品)
塾生の映画3本
映画制作初めての人達が挑んだ作品だそうです。こうした人達の中から未来の黒沢明が登場するといいですね。
NARAKU
実験的な作品らしく、台詞はないわ、明確なストーリーはないわで、私にはちんぷんかんぷんでした。1時間ほどあったでしょうか。はっきりいって見ていてだんだん苦痛になってしまいました。映画「白痴」は面白いのかな?
放課後
面白かったです。20分程なのですが、見応えありました。小品でも、優れた作品は人を感動させるものなのですね。
上映の前に監督の小林茂さんの話がありましたが、人柄のよさが滲みでてくる話しぶりでした。長岡にも大した人がいるのだなあと感心しました。自分の交際範囲の狭さが情けなくなりますね。
「Focus」(日本)
映画上演の前に、最初にこの映画主演男優でありかつ「白痴」の主演男優でもある浅野忠信(白竜さんを少し優さ男にしたような若手俳優)さんからのメッセージというかインタビューの映像が流されました。その中で手塚真監督の印象を語っていたので、この「Focus」も手塚監督作品だと思い込み、商業的な作品もつくれるんじゃないかと思っていたら、別監督の作品でした。あんまり金を掛けてるふうにも見えず(失礼)、話のアイデアも内容も特別真新しいことはないのですが(失礼)、展開も、台詞もうまかったと思います。筒井康隆さんの短編の世界を連想させるような内容です。結構面白かったです。
ラヴソング(香港)
今回の映画祭の看板映画でしょう。題名がストレートに映画の内容を語っています。厳密に言えば、そうではないのですが、すれちがいを話の展開に取り入れていますね。
こってりしたところもある一方で、軽妙なところもあるし、笑わせるところも、泣かせるところもあるといった至れり尽くせりの娯楽恋愛映画ですね。
遥か、西夏へ(中国)
皇帝に忠誠を誓う無骨な武人が、次第に変っていく姿がうまく描かれています。どれほど歴史的事実に基づいたものなのかわかりませんが、話には無理がなく、自然のように思われます。派手な作品ではありませんが、この武人を演じた俳優がなかなか魅力的ですし、面白い作品でした。
インディラ(インド)
インドの大きな社会問題といわれているカースト制度を扱っています。といってもけっして堅苦しい説教調になることなく、しっかりと楽しめる娯楽作品となっていました。
初恋(香港)
形式はオムニバスといったらいいのでしょうか?わざとB級どたばた調をねらった雰囲気です。監督らしき人がでてくるのですが、本当の監督でしょうか?饒舌に解説を入れるこの人物によって、スラップステックさがいっそう加速されます。
映像は結構凝って撮影されているような気がしました。ある種の映像美といえるものが漂っていると思います。今話題の金城武が出演しています。ただ、私はこの人でなくてもいいような気もしましたが。
おそらく人によって評価が大きく割れる作品だと思いますが、私はこの手の映画にしては思いの外面白くて、気に入りました。
今
回また、この映画祭にでかけましたが、前回同様スタッフの方々の甲斐甲斐しい仕事ぶりに、たいへんだなあ、と思う一方で、張り合いに満ちた表情からなんとも言い難い羨ましさを覚えました。私もぜひ「市民映画館をつくる会」に参加したいと思いましたね。
by
BigBrother
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