刺身のツマ
刺身を自分でこしらえるようになって、刺身のツマが気になりだしました。
不器用な腕をふるうようになったのは経済的な理由もさることながら、山のように添えられる大根のツマがいやだったせいもあります。
大根のツマは店側からすればずいぶん便利なのでしょうが、時間が経って刺身からの水分を吸い薄汚れてしまった大根のツマを食べる気にはならないし、かといってそのまま捨てるのはもったいないし、というジレンマがあったからです。
刺身のツマは添えることで刺身の鮮度を維持させたり、食べることでは動物たんぱく質を体に最善の状態で吸収させる効能を発揮させるのだと聞いたことがあります。何だかわからない小型のタンポポのような黄色い花やモミジなんぞは別にして大根や紫蘇や生姜は医食同源という気がします。
最近特に気に入ってるのは茗荷の千切り。実は茗荷は苦手なんですが、不思議と千切りにして刺身のツマにすると食べられるのですね。
徳利を傾けていて、時折つまむと口中がすっきりとして、酒と肴がまたうまく感じるのです。大葉もそうした効果はありますが、茗荷の千切りの鮮烈な歯触りはそれ以上の清涼感があります。