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長崎屋

  • 「失われた時を求めて~(長岡版)」 1997.4.30 -

ファイル 13-1.jpg 長崎屋がとうとう解体されました。 閉店はしていましたが、しばらく一部の店舗では営業が行なわれていましたので、今一つ「店じまい」という言葉がピンときませんでした。実はブラザーから聞いて、初めて耳にした次第です。私にとってなにかと思い出のある建物でした。 長岡に住みはじめてから20年近く過ぎましたが、いくつかの風物が失われました。今回の長崎屋もその一つです。長崎屋は小学生の遠足でやってきたことがあります。エスカレーターをはじめてみたように記憶しています。

ファイル 13-2.jpg 長崎屋で最も心に残っているのは、ジュースの自動販売機です。3階か、4階かの駅前のロータリーが見下ろせる窓の端に置かれていました。販売されているのはオレンジジュースきりです。もちろん折り紙付きの無果汁でした。10円は安すぎるような気もしますが、せいぜい30円ではなかったかと思います。この販売機は現在の販売機のような缶ジュースのタイプではありません。ジュースを呑みたい人自ら備えつきの紙コップをセットするような、きわめてオールドファッションのものでした。この自動販売機の頭部にあたるところには透明の半球がありました。それがロボットをどことなく連想させました。しいて上げればスターウオーズの人間タイプでないほうだといえます。この半球の内部では絶えずオレンジジュースが噴水のように吹き上げられていて、透明半球の内側を伝わって流れていました。これになにかしら心を惹かれ、幾度か硬貨を財布からとりだしたことを思いだします。長崎屋が閉店して以降、この販売機はどうなったのでしょうか?そもそもこうしたタイプは現在あるのでしょうか?


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