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「アンドロイドお雪」平井和正

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 最近のマイブームはSF小説を読むことです。
 平井和正と言えば、「幻魔大戦」「ウルフガイシリーズ」。題名くらいだけは知っていましたが、自分の読書範囲とは重ならないと思い、読まずにいました。
 ですが、このところ80年代の日本のSFを読むようになっていたので、古本屋でなにげに「アンドロイドお雪」(105円)を見つけ、読みだすや、その面白さに驚嘆しました。1969年に書かれた作品とは思えないほど新鮮でした。評判の高い翻訳ものと言われても、私は頭から鵜呑みにして信じてしまうほどです。さらに分類すれば、SFハードボイルドという分野になるでしょうか。
 サイボーグ猫のダイの存在も秀逸で作品に深みを与えています。再読すると、どれほど作者が巧妙に伏線が張り巡らしていたかにも驚かされます。これほどのエンタティメントを日本人が書けるなんてって思いました。平井和正という作家について、自分が勝手に抱いていたイメージがどれほど貧弱なものだったかが思い知らされました。とにかく驚愕の一冊です。
 ところで、「なんでお雪なんだろう」このアンドロイドと関係の深い登場人物の名前が野坂アキ。野坂アキと雪、野坂アキとユキ、野坂アキユキ、野坂昭如ってシャレなのかなーなんて。それと、この表紙の絵。よく見たらお雪ではないんですよね。


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