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「竜の眠る浜辺」山田正紀

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 最近のマイブームはSF小説を読むことです。

 ということで、私のマイブームのきっかけとなった一冊。
今から20年以上前に同著者の「神々の埋葬」を読んだ折は、おもしろかったものの、あまりに設定が荒唐無稽すぎて、その一冊きりになってしまいましたが、表題と表紙の絵に魅かれ購入。読みだすや、時を忘れ一気に読んでしまいました。

 突然湘南の一地域だけが恐竜の生息した時代になるという設定。むしろ、ファンタジーと言ったほうがよいでしょうか。それぞれの問題を抱える登場人物たちが、この超常現象を通じて心を通わせ、連帯を強めていく過程が、情感をもって描かれています。

 ところで、現在この作品は品切れ。私は大型古本店で購入。先の平井和正作品を含め、1970年代や1980年代のSF作品が入手しづらくなっています。ちなみに、同著者の「最後の敵」という傑作SFも品切れ状態。もちろん、こうした状況はSFに限らず、他の分野でも同様でしょうが、文庫がたちまち品切れ状態になってしまうのは何ともさみしい限りですね。


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