最終的に何巻になるのかわかりませんし、三人の子どもの末っ子は途中で生まれたように私は記憶しているのですが、1巻ですで小学生ほどに成長しているので、この巻の前に話があったような気がします。いずれにせよ最終的には、アウトドアライフのノウハウを中心とした蘊蓄まんがになっていったように覚えています。
1巻の話は思っていたよりも悲惨でした。競輪にのめり込んで家族からいっそう相手にされなくなったり、リストラで北海道へ飛ばされる途中で自殺を考えたり、赴任先から着の身着のままで上野駅にたどり着いた時には精神に変調を来していたりと、だめおやじというよりも、考えようによっては現代の中年サラリーマンにとって切実な問題が描かれていています。現在の不況下の日本で退職金を払わないためにいやがらせで辞職に追い込む企業があることを思いあわせると、笑えないギャグまんがになってしまっている観があります。そう言えば「ナニワ金融道」の青木雄二氏が朝日新聞で、日本のサラリーマンは労働者意識に欠けているし、自分たちの地位の向上を考えるのならぜひ選挙に行くべきなのにそれもしない、という主旨のことを述べられていましたが、本当にそうだと思います。
だめおやじは趣味の世界に自分の生きがいを見いだすことができました。はたして現在の日本で自分の居場所は見つけだせるのでしょうか?
by BigBrother
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