最近のマイブームはSF小説を読むことです。
著者は1971年の「石の血脈」でSF伝奇ものなる分野を開拓し、その後流行作家として数々の作品を発表。SFにとどまらない幅広い分野で活躍。こちらのほうでは1975年に直木賞。2002年逝去。
日常生活中に、非日常的な事象をさほど違和感なく描きこむ筆力。登場人物の巧みな造形。どんでん返しに次ぐ、どんでん返し。ユーモアもほのかに抑制のきいた風刺。著者のSFものをすべて読んだわけではないですけれど、こうした特徴があるかと思います。
この「女神伝説」もそうした特徴をもった一冊。自分に釣り合いのとれないほど素晴らしい女性、ただしめちゃめちゃ嫉妬深い、から愛されたら男はどうする、ってことなんでしょうけれど、彼女いない歴ウン十年の私だったら、他の女性には目もくれないってとこでしょうけれどね。
こうしたテーマを巧みに料理して、最後まで一気に読ませる腕前はすごいですね。