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楳図かずお「まことちゃん」全24巻 小学館

ファイル 246-1.jpg 西長岡のブックオフは気楽に立ち読みができることもあり、私にとって貴重な場所になっています。夕方訪れていつものように店内を回っていると、楳図かずお「漂流教室」全5巻がそっくり揃って、ただしバラで置いてあったので早速読みはじめました。再読なのですが、かなり前に読んだので、あらかた忘れてしまっていました。実に面白く我を忘れて没頭し、いよいよ最終巻を手にとろうとすると、棚から消えているのです。どうやら誰かが5巻だけ買ってしまったようなのです。あともう少しで読み終っていたのに・・・・。まったく残念でなりませんでした。それはともかく楳図かずお「漂流教室」の凄さを再認識した次第です。
 ところで楳図かずお氏は既に恐怖まんがの分野で押しも押されぬ大家でした。この「漂流教室」というどちらかというとSF色の濃い作品を読んだ時、こんな作品も書くのだなと思った記憶があります。後に「わたしは真悟」などのSF的作品を多く手掛け、この分野でも大いに筆を振るうとは思いも寄りませんでした。
 また予想外であったのはギャグマンガの分野でもすばらしい作品を生みだしたことです。まず頭に浮かぶのが、「アゲイン」です。これについては、他日述べることもあろうかと思いますので、詳細については割愛しますが、沢田まことをはじめとした沢田一家など主要人物が登場しています。
 「アゲイン」にもまして、はちゃめちゃなギャグにあふれているのが「まことちゃん」です。下ネタ満載ですが、くだらなさをはるかに越えたヴァイタリティーが感じられます。説明を要しない面白さです。もっとも解説が必要ならギャグとは言えないでしょうが。

by BigBrother


タグ:楳図かずお

酒小屋

「酒小屋」
「長岡のプレイスポット その6」 1997.11.8
ファイル 320-1.jpg 長岡駅前に横断歩道が大黒屋とタクシー会社を結ぶように走っています。タクシー会社に面した歩道を駅を背にしてしばらく歩くと、右へ曲る通路のすぐ角にその酒小屋はあります。カウンターだけの10人ほどで満員になってしまう店です。ファイル 320-2.jpg おもての「二酒小屋」を一見すると、これが店名と思ってしまいますが、「二」はもともと「和不二」という酒の銘柄を示していたのですが、「和と不」の二文字は落ちてしまって直されてないままなのです。こうした店構えに対する無頓着ぶりは、店内にも充分表われています。古びた椅子は、新品の頃には腰をおろす部分にクッションがついていたようなのですが、今ではまるっきり木製になっています。夏に活躍する2台の扇風機はアブラとホコリで真っ黒になっています。どちもらに古さを通り越して、レトロな印象すら覚えます。
ファイル 320-3.jpg ここはモツ煮込みだけです。ですから注文をとるのは日本酒かビールかの別を聞くためです。柔らかくなったモツ、絹ごし豆腐、こんにゃく、といった具がタライのような銅製の鍋でぐつぐつと煮られています。このモツ煮込みは小鉢ではなく、縁のややそりかえた皿に山盛りにされますが、店主は煮汁がこぼれようが頓着しません。さらにこの雰囲気を味わいたかったら、日本酒を頼んでおきましょう。この銘柄の「和不二」は栃尾の酒です。これはコップ酒でだされますが、夏冬にかかわらず燗が付けられています。酒を温める機械は同じくレトロな雰囲気が漂っています。お約束通りにコップ酒はふち一杯に注がれ、 その受皿にはこぼれた酒が波打っています。ファイル 320-4.jpg こうしたすべてによって店が醸しだすクセのある雰囲気に魅せられたら、たびたび足を運ぶことになるでしょう。
 ここは昼から始まり、仕込を売りつくしたところで暖簾をおろしてしまいます。たいてい6時までには閉っていることがしばしばです。今日は4時に呑んでいます。贅沢なかぎりですね。モツ煮込み一皿とコップ酒2杯で900円でした。店をでると、あたりはすっかり夕暮れです。冬至まであと一月ちょっと。まだまだ陽は短くなっていくのですね。「太陽エネルギーが減少するのだなあ、ウルトラマンも困るだろうなあ」なんてことを思ってしまいました。結構酔っているようです。

by BigBrother


タグ:長岡市 プレイスポット

長岡のプレイスポット一覧(旧サイト)へリンク

まだ旧サイトからの引越には時間がかかるので記事一覧ページへのリンクを掲載しておきます。

■長岡のプレイスポット一覧(旧サイト)へ
http://www.iscb.net/mikio/play.htm

1. 「その30 金峰神社の流鏑馬その2」 2001.7.18
2. 「その29 駒形十吉記念美術館」 2001.6.1
3. 「その28 信濃川に架かる橋=長生橋」 2001.3.7
4. 「その27 鏝絵」 2000.12.7
5. 「その26 信濃川に架かる橋=長岡大橋」 2000.8.26
6. 「その25 信濃川に架かる橋=蔵王橋」 2000.8.10
7. 「その24 新潟県立歴史博物館」 2000.8.6
8. 「その23 東山ファミリーランド」 2000.7.24
9. 「その22 金峰神社の流鏑馬」 2000.7.16
10. 「その21 ながおか街角情報館」 2000.7.4
11. 「その20 長岡市立科学博物館」 2000.6.13
12. 「その19 山本五十六記念館」 1999.11.18
13. 「その18 FMながおか」 1999.11.11
14. 「その17 リサイクルショップ」 1999.5.25
15. 「その16 悠久山」 1999.5.16
16. 「その15 国営越後丘陵公園」 1999.5.9
17. 「その14 長岡中心街の柿川沿い」 1998.6.4
18. 「その13 不動滝」 1998.5.9
19. 「その12 豆腐売りのおじさん」 1998.4.7
20. 「その11 高龍神社」 1998.1.17
21. 「その10 金峰神社」 1998.1.4
22. 「その9 二年参り、初詣で」 1997.12.27
23. 「その8 五十市」 1997.11.18
24. 「その7 妙見記念館」 1997.11.14
25. 「その6 酒小屋」 1997.11.8
26. 「その5 如是蔵博物館」 1997.10.29
27. 「その4 八方台」 1997.10.10
28. 「その3 千秋ヶ原」 1997.9.22
29. 「その2 みやじさま」 1997.8.2
30. 「その1 パチンコ桃山の地下遊技場」 1997.7.31


タグ:長岡市

長崎屋

  • 「失われた時を求めて~(長岡版)」 1997.4.30 -

ファイル 13-1.jpg 長崎屋がとうとう解体されました。 閉店はしていましたが、しばらく一部の店舗では営業が行なわれていましたので、今一つ「店じまい」という言葉がピンときませんでした。実はブラザーから聞いて、初めて耳にした次第です。私にとってなにかと思い出のある建物でした。 長岡に住みはじめてから20年近く過ぎましたが、いくつかの風物が失われました。今回の長崎屋もその一つです。長崎屋は小学生の遠足でやってきたことがあります。エスカレーターをはじめてみたように記憶しています。

ファイル 13-2.jpg 長崎屋で最も心に残っているのは、ジュースの自動販売機です。3階か、4階かの駅前のロータリーが見下ろせる窓の端に置かれていました。販売されているのはオレンジジュースきりです。もちろん折り紙付きの無果汁でした。10円は安すぎるような気もしますが、せいぜい30円ではなかったかと思います。この販売機は現在の販売機のような缶ジュースのタイプではありません。ジュースを呑みたい人自ら備えつきの紙コップをセットするような、きわめてオールドファッションのものでした。この自動販売機の頭部にあたるところには透明の半球がありました。それがロボットをどことなく連想させました。しいて上げればスターウオーズの人間タイプでないほうだといえます。この半球の内部では絶えずオレンジジュースが噴水のように吹き上げられていて、透明半球の内側を伝わって流れていました。これになにかしら心を惹かれ、幾度か硬貨を財布からとりだしたことを思いだします。長崎屋が閉店して以降、この販売機はどうなったのでしょうか?そもそもこうしたタイプは現在あるのでしょうか?


最近見たお勧め映画

「デルス・ウザーラ」(1975)

1971年、モスクワ映画祭に、「どですかでん」を出品した縁により、日ソ合作がまとまる。のちに映画の全権を黒沢明に委ねるかわりに、ソ連映画として配給された。撮影は3年に及ぶ。1976年度のアカデミー賞最優秀外国映画賞、モスクワ映画祭金賞、国際映画批評家賞等を受賞。

ファイル 269-1.jpg 同名著書の映画化です。もっとも平凡社の著書は「デルスウ・ウザーラ」とされています。この「デルスウ・ウザーラ」は名著の評判が高いにもかかわらず、かって長らく品切だったことがありました。現在は平凡社の東洋文庫の一冊として入手可能ですし、極最近では河出書房新社から文庫サイズとして出版されました。

ファイル 269-2.jpg 「デルスウ・ウザーラ」が重版されたのは7、8年前になります。その際読んだ筈なのですが、あらかた忘れていました。ただ映画のストーリーは原作とかなり違うような気がしたので、原作を引っ張り出してざっと目を通してみると、脚本は原作のつぼは押さえているものの、挿話の順を自由に組み変えているのです。そのことは、映画ではデルス・ウザーラとの出会いから始まるのですが、原作ではゴリド人のデルス・ウザーラとの再会後の探検が語られているのです。すなわち、原作は映画の第2部における1907年のことを中心に語られているので、決して、映画に見られるように、1906年のことはな直接には言及されていないのです。「デルスウ・ウザーラ」の解説を読む限りでは、ハンカ糊を調査した1906年の紀行文は存在しないようです。ひょっとすると、そうした紀行文が存在しているのかも知れません。ただ、原作を読むと、映画の1906年のエピソードが1907年のエピソードから取られたものだという印象を受けますので、原作のエピソードから黒沢明監督が再構成した可能性が高いと思われます。もちろん、そうだからだといって、「デルス・ウザーラ」が「デルスウ・ウザーラ」の改竄であるということにはなりません。「デルスウ・ウザーラ」の上映時間は2時間半近くに及ぶ、大作であるのですが、登場人物は主人公のデルス・ウザーラと語り手で著者のアルセーニエフであると言っていいかと思います。原作も大部の割りには、登場人物がけっして多いと言うわけではありませんが、映画に比べて多くの人々が登場し、著者はこうした人々に言及しています。

 黒沢明監督は多くのエピソードを大胆に借りこみ、精選したエピソードと黒沢明監督によって肉付けされたエピソードによって、主人公の人間像を生き生きと浮び上がらせています。例えば、前にも触れたハンカ湖の場面について言えば、映画ではデルスとアルセーニエフとが二人だけで調査へと向かった帰りに迷ってしまい、危うく凍死するところをデルスの機転で救われるという印象深い場面になっています。しかし、この場面の実際はさきほどのごとくですし、さらに言えば、原作の第14章の「苦しい行進」をかなり自由に肉付けしているようです。

 映画はデルス・ウザーラとアルセーニエフ以外には最小限度の人物を取り上げるにしているようです。主要な登場人物がほぼ二人であるのは、ギリシア悲劇を連想させます。語り手のアルセーニエフの率いている調査隊はコロス(合唱団)の様に、合唱をします。この映画では、効果的に歌が使われています。デルスが死んだ家族を悼み、バラライカを弾きながら歌う場面もそうですし、第一部や第二部の終わりに使われる歌もそうです。「隠し砦の三悪人」の火祭りの場面で歌と踊りとが効果的に使われていたのを連想します。

 最後にぜひとも、言っておかなければならないのは、風景が良く撮れていることです。こうした作品にありがちなことなのですが、大自然の前に、人間という存在が卑小になってしまい、素晴らしい自然の紹介に終始するか、あるいは、子供騙しの火気割りの自然を見せられるかに、終始してしまう結果になるのが落ちなのですが、この映画にかぎってはそういうことはありません。自然描写と人物描写のバランスの良い映画なのです。この映画は一見の価値は十分に在ります。いや、あえて必見であるといいましょう。


タグ:映画

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